本の紹介です。
西條奈加 著 「千年鬼」 徳間書店
文中に出てくるメッセージを文中より抜粋しご紹介します。
鳥肌立ちました。
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*7P
鬼の芽は、鬼ではなく人に宿る
恨み辛みを糧として
ときにゆっくりと ときにひと息に 身内にそだつ
やがてその実がはじければ 額に二本の角をもつ 人鬼となる
げに恐ろしきは 鬼ではなく この人鬼なり
*87P
知恵と引き替えに 人は罪を得た
獣の常の営みすら 人には罪となり狂気を誘う
時を経るにつれ 人はより知恵を貯え 禁忌を生み
己を縛る綱をいたずらに増やした
ただ忘却だけが 人に与えられた唯ひとつの救い也
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*123P
恐れは呪いとなりて人を縛り
人は逃れんがために神にすがる
社を設け 堂を建て 形代が前に額衝かん
なれど 人を救うは神にあらず
恐れを払うは畏(おそ)れにあらず
虞(おそれ) すなわち慮(おもんばか)りこそが 唯一恐れを遠ざけん
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ぜひ、読んでみてください。